「電子小黒板、興味はあるけど会社が導入してくれない」
中小の建設会社あるあるだ。蔵衛門やSiteBoxは月額料金がかかるから、上に稟議を出しても「今のやり方で回ってるだろ」と却下される。でも、手書き黒板の非効率さは現場で毎日感じている。
そんな状況で自分が見つけたのがミライ工事2だった。無料プランがある。個人のスマホにインストールするだけで、今日から電子小黒板が使える。稟議も予算も不要。
「無料だから機能がショボいんじゃないの?」と思うかもしれない。自分も最初はそう思った。でも実際に使ってみたら、基本的な撮影と管理は無料プランで十分こなせた。「まず電子小黒板を体験してみたい」という人には、間違いなくこれが一番いい入口だ。
この記事では、ミライ工事2の使い方を初めての人向けに解説する。
ミライ工事2とは?
ミライ工事2は、株式会社ミライ工事が提供する電子小黒板アプリ。iOS・Android両対応で、無料プランから使えるのが最大の特徴だ。
無料プランと有料プランの違い
| 機能 | 無料プラン | 有料プラン |
|---|---|---|
| 電子小黒板の撮影 | ○ | ○ |
| 黒板テンプレート | 基本テンプレート | 全テンプレート |
| 写真の保存枚数 | 制限あり | 無制限 |
| クラウド保存 | × | ○ |
| 台帳作成 | × | ○ |
| 電子納品出力 | × | ○ |
| 信憑性チェック | △(制限あり) | ○ |
無料プランでも黒板付き写真の撮影は普通にできる。保存枚数に制限はあるが、「とりあえず試してみる」には十分だ。気に入ったら有料プランに切り替えればいい。
【初日】インストールから最初の1枚まで
STEP 1:アプリをインストールする
App StoreまたはGoogle Playで「ミライ工事」と検索。「ミライ工事2」をインストールする。「ミライ工事」(初代)と間違えないよう注意。2の方が新しい。
インストールしたら、メールアドレスでアカウントを作成する。この時点では無料プランでスタート。クレジットカードの登録も不要だ。
STEP 2:工事を作成する
アプリを開いて「新しい工事」を作成する。
入力する情報:
- 工事名称: 正式な工事名を入力
- 施工場所: 工事の住所
- 受注者名: 自分の会社名
- 工期: 開始日と終了日
蔵衛門と同じで、ここで入力した工事名が黒板に自動表示される。入力は5分もかからない。
STEP 3:写真を撮る
「撮影」をタップするとカメラが起動して、画面上に電子小黒板が表示される。
黒板をタップして内容を編集する:
- 工種を選択(「掘削工」「コンクリート工」など)
- 撮影内容を入力(「床掘り状況」「配筋状況」など)
- 必要に応じて寸法値を入力
- 構図を決めてシャッターを押す
操作感はシンプルだ。蔵衛門と比べると画面がスッキリしていて、迷う要素が少ない。初めて電子小黒板を使う人には、この「迷わなさ」が大きい。
【1週間目】現場で使いこなすコツ
黒板の位置とサイズを調整する
撮影画面で黒板をドラッグして位置を変えられる。ピンチ操作でサイズも変更可能。
おすすめの配置は「左下」か「右下」。 構造物の全体が見える構図を確保しつつ、黒板が重要な部分に被らないようにする。サイズは写真全体の1/5くらいが読みやすい。
最初のうちは「黒板が大きすぎて構造物が見えない」か「小さすぎて文字が読めない」のどちらかになりがち。5枚も撮ればちょうどいいサイズ感が掴める。
よく使う黒板を保存する
同じ工種の写真を何枚も撮る場合、毎回ゼロから黒板を作るのは非効率だ。ミライ工事2では、一度作った黒板の内容を保存して、次回以降に呼び出せる。
例えば「コンクリート打設」の黒板を保存しておけば、次の打設日は呼び出して日付と測定値だけ変えればいい。現場で黒板を編集する時間が激減する。
自分は工種ごとに3〜4パターンの黒板を保存していた。「掘削(着手前)」「掘削(施工中)」「掘削(完了)」みたいに、撮影タイミング別で分けておくとさらに便利。
撮り直しを恐れない
電子小黒板の良さは、撮り直しのコストが低いこと。手書き黒板だと、書き直すのに時間がかかるから「まあいいか」で済ませがちだ。でも電子小黒板なら黒板はそのまま、構図だけ変えて撮り直せる。
「ちょっとブレてるけど、まあいいか」はやめて、納得いくまで撮り直す。その方が後の検査で楽になる。
【2週間目】写真を整理する
フォルダで工種別に管理する
撮った写真は工種ごとにフォルダ分けする。ミライ工事2では、工事の中にフォルダを作成して、写真を振り分けられる。
推奨するフォルダ構成は蔵衛門と同じ考え方だ:
- 着手前・完成
- 掘削工
- 鉄筋工
- 型枠工
- コンクリート工
- 出来形管理
- 材料検査
撮影時にフォルダを指定する癖をつける。 後からまとめて整理しようとすると、写真が溜まりすぎて手に負えなくなる。「撮ったらその場でフォルダに入れる」を鉄則にすると、夕方の写真整理が5分で終わる。
PCへのデータ取り出し
無料プランにはクラウド保存がないので、定期的にPCにデータを移す必要がある。
方法は簡単で、スマホとPCをケーブルで繋いで写真データをコピーするか、メールやファイル共有アプリで送る。写真には黒板情報が焼き込まれた状態で保存されているので、普通のJPGファイルとしてPCで開ける。
毎日やる必要はないが、週1回はPCにバックアップを取ることを推奨する。スマホが壊れた時のリスクヘッジだ。
無料プランの限界と有料プランへの切り替え時期
無料プランで十分やれる範囲と、有料が必要になるタイミングを整理する。
無料で十分なケース
- 個人で電子小黒板を試してみたい
- 小規模な民間工事で、電子納品の必要がない
- 写真枚数が少ない工事(月100枚以下くらい)
- とりあえず会社に「こんなに便利ですよ」と見せたい
最後のケースが実は一番多いと思う。上司に電子小黒板の導入を提案する時、「無料でこれだけできるんですよ」と自分のスマホで実演するのが最も説得力がある。
有料に切り替えるべきタイミング
- 公共工事で電子納品が必要になった時 → 無料プランでは電子納品フォーマットの出力ができない
- 写真枚数が増えて保存制限に引っかかった時 → 大規模な工事では1日50〜100枚撮るから、すぐ上限に達する
- クラウドでチーム共有したい時 → 複数人で写真を共有・管理するにはクラウド機能が必要
- 台帳を自動作成したい時 → 手動で台帳を作る時間がもったいなくなったら切り替え時
自分の感覚だと、2〜3現場使ってみて「もう手書きには戻れない」と思ったら有料に切り替えるのがちょうどいいタイミング。あるいは、その時点で蔵衛門やSiteBoxへの移行を検討してもいい。
蔵衛門Padとの違い
「ミライ工事2と蔵衛門、どっちがいいの?」とよく聞かれるので、使った感想ベースでまとめる。
ミライ工事2が向いている人
- 電子小黒板が初めてで、まず無料で試したい
- 小規模な現場が多い
- シンプルな操作感が好み
- 会社に導入を提案するためのデモ用として
蔵衛門Padが向いている人
- 公共工事がメインで、発注者から指定されるケースが多い
- 大規模な現場で、写真枚数が多い
- **蔵衛門御用達(PC版)**を会社で使っている
- 電子納品の実績を重視する
どちらが「上」ということではない。ステージが違う。ミライ工事2で電子小黒板に慣れて、必要に応じて蔵衛門に移行する——というステップアップは自然な流れだ。
蔵衛門Padの詳しい使い方は「蔵衛門Padの使い方ガイド」にまとめている。
現場で実際に使って感じたメリット
改めて、手書き黒板からミライ工事2に切り替えて感じたメリットを書く。
片手が空く
手書き黒板を持たなくていい。スマホ1台で撮影が完結する。空いた手でスケールを持てるし、足場の手すりを掴みながら撮影できる。安全面でも地味に大きい。
字が読める
自分の字は汚い。手書き黒板の時代は、検査で「この文字、何て書いてあるの?」と聞かれることがあった。電子小黒板に変えてから、一度も聞かれていない。
雨でも書ける
手書き黒板は雨の日が最悪だ。チョークが滲んで読めなくなるし、黒板自体が濡れて書きにくい。電子小黒板なら防水ケースに入れたスマホで普通に操作できる。
修正が一瞬
手書きで間違えると消して書き直し。電子なら数値をタップして打ち直すだけ。特に出来形の測定値を間違えた時、手書きだと黒板を全部書き直す必要があったが、電子なら数字を1つ変えるだけ。
よくあるトラブルと対処法
「画面が見えない(直射日光)」
夏場の屋外で一番困るのがこれ。画面の明るさを最大にしても見えにくい時がある。
対処法:手で画面に影を作って確認する。地味だが効果的。あとは、つばの広いヘルメットだと自然に影ができるので多少マシ。
「操作を間違えて写真を消した」
焦ってタップしたら写真を削除してしまった、というパターン。ミライ工事2には削除確認のダイアログが出るが、連打していると見逃す。
対処法:こまめにバックアップを取る。消してしまったら撮り直すしかないが、バックアップがあれば被害は最小限。
「職人さんに「スマホいじってるだけ」と思われる」
電子小黒板を知らない職人さんから見ると、スマホをいじっているだけに見える。「仕事中にスマホ触ってんじゃねえよ」と思われるリスクがある。
対処法:最初に説明しておく。 「黒板がスマホに入ってるんで、これで撮影してます」と一言伝えるだけで解決する。実際に黒板付きの写真を見せると「へえ、便利だな」と納得してくれる。
まとめ
ミライ工事2は、電子小黒板の入門に最適なアプリだ。無料で始められて、基本的な撮影は十分にこなせる。
「電子小黒板に興味はあるけど、会社が導入してくれない」なら、まず自分のスマホに入れて使ってみてほしい。1日使えば「もう手書きには戻れない」と思うはずだ。その体験を上司に見せれば、会社全体での導入につながるかもしれない。
他の電子小黒板アプリとの比較は「電子小黒板アプリおすすめ6選」、蔵衛門の使い方は「蔵衛門Padの使い方ガイド」を参考にしてほしい。
この記事を書いた人
SEKOBASE編集部 施工管理技士として現場で働く代表が運営する、建設業専門のテック情報メディア。「現場を知る者が、現場を変える」をモットーに、蔵衛門・電子小黒板・CCUSなどの現場DXツールの使い方から、施工管理技士試験の対策まで、現場目線の情報を発信しています。


