「地山100m³を掘ったら、ほぐし土量は何m³?ダンプ何台?」
土量の変化率計算は施工管理の基本だが、毎回「地山×L=ほぐし」「地山×C=締固め」を手計算するのは地味に面倒だ。特に、盛土に必要な地山土量を逆算する場合(締固め→地山→ほぐし)は、割り算の方向を間違えやすい。
このツールを使えば、土量と土質を選ぶだけで地山・ほぐし・締固めの3状態を一瞬で換算できる。ダンプの台数も出る。
土量計算機
使い方
STEP 1:計算モードを選ぶ
- 切土→運搬: 地山土量を入力 → ほぐし土量(運搬量)と締固め土量を算出
- 運搬→盛土: 締固め土量(盛土量)を入力 → 必要な地山土量とほぐし土量を逆算
盛土の現場で「完成形で500m³欲しい。土取場から何m³掘ればいい?」という場面では、「運搬→盛土」モードが便利だ。
STEP 2:土質を選ぶ 岩・礫質土・砂質土・粘性土・表土の5種類からプリセットを選択するか、L値・C値を手動入力する。
STEP 3:計算ボタンを押す 地山・ほぐし・締固めの3状態がフロー図で表示される。ダンプ(10t・6m³積)の台数も出る。
土量の変化率(L・C)とは?
土を掘削すると体積が変わる。これを土量の変化率と呼ぶ。
L(ほぐし率)
L = ほぐし土量 ÷ 地山土量
土を掘ると空気が入って膨らむ。この膨らみ具合がL値。L=1.20なら、地山100m³を掘ると120m³に膨らむということ。
ダンプで運搬する時の土量は「ほぐし土量」で計算する。運搬量=地山土量×L。
C(締固め率)
C = 締固め土量 ÷ 地山土量
土を締め固めると、元の地山より縮む。C=0.85なら、地山100m³を締め固めると85m³になるということ。
盛土の完成量は「締固め土量」で考える。必要な地山土量=締固め土量÷C。
土質別の変化率一覧
| 土質 | L(ほぐし率) | C(締固め率) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 岩 | 1.65 | 1.30 | 掘ると大幅に膨らむ。締めても元より大きい |
| 礫質土 | 1.20 | 0.90 | 砂利混じり。比較的安定 |
| 砂質土 | 1.20 | 0.85 | 最も一般的。道路の基礎など |
| 粘性土 | 1.25 | 0.90 | 水分が多いと変化率が大きくなる |
| 表土 | 1.30 | 0.85 | 根や腐植を含む。膨らみやすい |
これらは標準的な目安値だ。実際の値は土質試験(室内締固め試験、現場密度試験など)で確認する。同じ「砂質土」でも、含水比や粒度によって変化率は異なる。
よくある計算ミスと注意点
ミス①:運搬量を地山土量で計算してしまう
ダンプの積載量は「ほぐし状態」の体積だ。地山100m³を運搬する場合、ダンプに積む量は100×L=120m³(砂質土の場合)。地山の100m³で計算するとダンプが足りなくなる。
ミス②:盛土量の逆算で掛け算してしまう
「締固め100m³の盛土を作りたい」場合、必要な地山土量は100÷C(割り算)であって、100×Cではない。この方向を間違えると土が足りなくなる。
計算機の「運搬→盛土」モードを使えば、この逆算を自動でやってくれる。
ミス③:残土処分量をほぐし土量で出していない
残土処分場に搬入する量は「ほぐし土量」で計算するのが一般的。地山土量で計算すると、処分量の見積もりが少なくなる。
ダンプトラックの積載量
| 車種 | 最大積載量 | ほぐし土量の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 4t | 約2.5m³ | 約2.5m³ | 狭い道路向け |
| 10t | 約6m³ | 約6m³ | 最も一般的(計算機のデフォルト) |
| 大型(25t) | 約14m³ | 約14m³ | 広い現場向け |
計算機では10tダンプ(6m³積)をベースにしている。
注意事項
この計算機の結果は概算値です。実際の施工では以下を確認してください。
- 土質試験結果に基づく正確な変化率
- 含水比による変動(雨天後は変化率が変わる)
- 岩の場合は発破・ブレーカーの種類で変化率が異なる
- 残土処分は処分場の受入基準を確認
ICT施工による3D土量計算については「ICT施工とは?」、i-Constructionの全体像は「i-Constructionとは?」を参考にしてほしい。
この記事を書いた人
SEKOBASE編集部 施工管理技士として現場で働く代表が運営する、建設業専門のテック情報メディア。「現場を知る者が、現場を変える」をモットーに、蔵衛門・電子小黒板・CCUSなどの現場DXツールの使い方から、施工管理技士試験の対策まで、現場目線の情報を発信しています。


